ケニア

ケニアとインド人の関係

ケニアには、本当にたくさんのインド人がいます。

 

私もケニアに来るまでそうでしたが、多くの日本人がケニア(というかアフリカ)に対して抱く典型的なイメージは、「黒人(だけ)の国」ではないかと思います。

 

しかし、特に都市部にいると、本当にインド人の多さに気づかされます。

 

正確に言うならば、彼らのほとんどがインド系ケニア人ですが、実はこの国の社会は、彼らによって相当牛耳られています。

 

例えば、

 

ナイロビの大きいスーパーでは、どこもだいたいインド系ケニア人が店を仕切って、店員に指示を出しています。

 

海外留学に必要なIELTSという英語試験では、受験会場でのインド系ケニア人の多さに驚かされます。

 

特にIELTSは、受験料も難易度もそれなりのため、そもそもこの試験を受けられるケニア人は、少なくともソコソコ裕福でソコソコの教育水準にある者に限られます。

 

また、私が住んでいた農村近くにある地方都市キスムでも、閑静な高級住宅地はいわゆるインド系人居住区です。

 

このキスムにある問屋街のオーナーのほとんどはインド系ケニア人です。

 

 

さすがに地方の農村ではインド系ケニア人を見かけることはまずありませんが、彼らは首都ナイロビをはじめ、ケニアの各地方都市で大小のコミュニティを作りながら、幅広くビジネスを営んでいるようです。

 

まず、歴史的にもケニアとインドの繋がりは深いです。

 

インド人とアフリカ大陸との関わりは、記録にある限り、紀元前1世紀頃まで遡ることができます。

 

しかし、ケニア内にインド人が急増するきっかけとなったのは、19世紀半ばにイギリスが東アフリカ海岸部に本格的に進出するようになってからです。

 

当時イギリスは、ウガンダとケニア沿岸部モンバサを結ぶ鉄道を建設するために、インドから大量の奴隷を連れてきました。

 

この工事は19世紀末から20世紀初頭にかけて実施されましたが、この工事期間にケニアに連れてこられたインド人の数は約32,000人で、工事が完了した1901年にケニアに残っていたインド人は7,000人弱と言われています。

 

しかし、その数は徐々に増え、1930年頃には約45,000人になり、1962年の国勢調査では最大の約17万人のインド人がいました。

 

ケニアがイギリスから独立して以後、民族間の緊張の高まりにより、インド人の数は減っていますが、2009年には約8万人のインド系人がケニアに住んでいます。

 

はじめは鉄道労働者だった彼らですが、ケニアに生活基盤を作るべく、さまざまな商売に従事するようになります。

 

そして、黒人系ケニア人を遥かに上回る勤勉さと商売のセンスで徐々に力をつけ、今ではケニア内にある多くのビジネスを牛耳るようになりました。

 

先述の通り、特に都市部では大規模なスーパーから小さな小売店まで、お店のオーナーの多くがインド人です。

 

そんな状況において、黒人系ケニア人の彼らに対する感情は微妙です。

 

私も何人かに話を聞いたことがありますが、自分たちの国が「インド系ケニア人に食われてしまう」という感情的な反発がある一方、彼らのおかげで仕事ができている者もたくさんいるのも事実。

 

このジレンマにすでに気づいている黒人系ケニア人の心境は、実に複雑です。

 

この微妙な立場を受け入れながら、黒人系ケニア人はこの国で上手く生きていく術を模索しなければいけない、と多少の憂いを帯びながら話をしてくれたのが印象的です。

 

しかし、近年では中国の勢いが激しく、黒人系ケニア人はまた新たなジレンマを抱えつつあります。

 

この話はまた別稿に譲るとしましょう。

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ABOUT ME
Kohei
名古屋大学大学院国際開発研究科修了後、愛知県内で英語教諭として勤務。退職後、青年海外協力隊(2017年度2次隊青少年活動)に参加し、ケニアに渡る。2019年9月より英国ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)にて、教育開発学を学ぶ。